時わたりatラブ(仮)

















「ご馳走様でした〜〜っ!!」




疲れていたのもあってご飯食べ終わるのも一番はやかった。


成長期だもんね、土方より全然沢山食べれる。






土「早いな…。」



ら「若いから私。」


綺麗に平らげたお皿にお信さんがおかわりをよそってくれる。



ら「ありがとうございます。」



信「沢山たべてね?

そんな長くいられないだろうし、新潟に行ったらまた戦なんでしょ?」



ら「はい。」



信「そう、女の子が難儀な事ね…。」



ら「そんな事ないです。私はみんなといれる事が一番幸せですから。」




信「そうね…人それぞれだわ。


あ、歳三とらんちゃんは寝る部屋どうする?別々にもできるし。」




部屋かぁ。



新撰組でも別々だし…それでいいかなぁ。




ら「別々……」



土「たまには一緒の部屋にしねぇか?お信姉さん、頼むな。」




信「うん、分かったわ。」




土方と一緒の部屋かぁ、ちょっぴり緊張。


でもいままで旅館とかで一緒だったし、平気なはず。
















ご飯を食べ終わって、片付けをしてお風呂から上がるとすっかりリッラクスしている土方が部屋で寝っ転がっている。







ら「今日は仕事しなくてもいいの?」




土「あぁ、隊士募集もだいたい候補者が決まっててるしな。仕事っていっても停戦状態だし新潟も今の所変わりねぇ。」



ら「そっかぁ。


なんかちょっとした旅行みたいだね。」




土「だけど週末には帰るからな。」


ら「うん。」




寝る時は浴衣だから着崩れないように気をつけながら、寝っ転がっている土方の横に座る。





ら「あれ…布団って。」



土「姉さん変な気を効かせやがって…」




ちらっとみると布団が一つに枕が二つ。



ら「布団貰ってこようか?」



土「野暮な事言うな。」



ら「だって…恥ずかしんだもん。」



私がプクーっと頬を膨らませると土方はにやっとして




どさっ



ら「わっ!」




ん……?



え、嘘、天井が見えるんだけど…。




ら「……何コレ?」




頭はパニック


顔は真っ赤



だって、こんなの初めて会った時以来だ。







土「なにも取って食う訳じゃねぇよ。

ただ、らんに言っておきたい事がある。」





いつに無く真剣な行方の瞳に



なにを言われるんだろうって不安になる。





ら「なに?」





別れよう…とか?







土「らん、


戦が終わって新撰組の行く末が落ち着いたら


俺と…」





ら「ん?」





土「俺と…祝言あげねぇか?」






ら「へ?」






きっと口をあんぐり開けて間抜けな顔してる。






土「今日、らんが割烹着着ておかえりって迎えに来ただろ?


男装姿で思いっきり元気にしてるらんも良いが、ああやって家に帰った時にいてくれるならどれだけいいかって思ったんだよ。



色々迷惑かけるし、頼る事も多いいだろうが幸せにする。」







幸せにする…





それを聞いたと同時につーと涙がおちてくる感覚。



まさか土方にそんなこと言ってもらえるなんて思わなかった。





ら「つ、うぇ…ひじっか…。」




まだまだ現実を受け入れられてない事もあるけど、自然とぼろぼろと涙がでてくる。




土「おい…。」





涙を拭ってくれる土方の手が優しい。




土方となら私だって大丈夫。



沢山のことをここに来て学んだ。命と仲間の大切さも、笑うこともそのまんまの自分でいる事も。










幸せすぎて涙がでるってこの事なんだ。







ら「ほんとにっ、嬉しい…ありがとう。」






満面の笑みでそう告げると土方も嬉しそうに笑って





土「はぁ、よかった…。」



と抱きついてくる。



ら「緊張した?」



土「あぁ、人生で一番かもしれねぇな。」



土方が照れてるなんて貴重だなぁ。



ら「ふふふ、幸せだよ。」




土「あぁ…そうだな。」




ら「っ…ん。」




土方がキスをしてくる。



恥ずかしいってのもあるけど、それより幸せすぎて恥ずかしいのなんてどっかいってしまう。




土方と夫婦になったら



どんな家族になるのかなぁ。


夫婦喧嘩とかは嫌だけど、沢山の場所を巡って信頼し合える仲が続くといい。




ら「楽しみ!」



土「たくさん、今まで出来なかったことやろうな?」



ら「うん!!」




2人で笑いあうと土方は私を抱きしめる力を強めてきた。




ら「うぐ…くるし〜。」




ばしばし、土方の背中をたたく。




私の肩から顔を挙げた土方の目が色っぽく意地悪で不覚にもどきっとする。








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