時わたりatラブ(仮)




お藤さんが出ていったあと、箪笥を開ける。


お藤さんって趣味いいんだなぁ、全部素敵。



迷うな〜。




ら「これにしようっと。」


青の着物で、白で刺繍された牡丹の柄がかわいい。


でもなんか、大きい?


すそ引いちゃうんだけど。


まー、いっか!


ついでにお藤さんの化粧台もかりて髪の毛をととのえる。

ポニーテールでいいよね?



ら「出来た!」


藤「許可でたから、いこ?」


ら「ありがとうございます!」


藤「着物上手に着れるようになったなぁ。あ、そや!」


ちっちゃい箱を取り出して


藤「ちょっと失礼しますー。」


唇になにか塗る。


ら「なに?」

鏡を見ると唇、真っ赤だ。


藤「きゃー、やっぱりよく似合うわぁ!

うちも若いころに帰りたいなぁ。」


ら「お藤さんっていくつ?」



藤「うち?今年で20や。」



ら「まだ、若いのに!」



あれ?お藤さんって結婚してたっけ?



藤「さ、いきましょか!」



三味線を抱えて、裾をつまんで歩き出す。



ら「まって!裾ってどうやってつまむの
?」



藤「左につまんで、みぎでものをもつんよ?でも、籠あるさかい、たいして歩かへんし。
あと、らんちゃんはうちの妹分っていうことにしといてや。」


ら「はい。


お藤さんは、結婚してるの?」



藤「してるよ?でも、いま家のひと江戸でお仕事してるさかい、なかなか会えへんの。」













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