鈴芽 ~幸せのカタチ~
第十二章 それぞれの思い
『ごめんなさい。
突然呼び出して。』

そう言ってイチローを呼び出したのは聡子だった。

『あなた、随分雰囲気が変わったわね。

この間の食事の時も思ったけど、
まるで別人みたい。

私はあなたの無表情と怒った顔しか覚えがないわ。』

『話ってなんだよ。』

イチローは昔の自分の話は聞きたくなかった。

『単刀直入に言うわ。

私たちやり直さない?』
考えもしない提案にイチローの頭は真っ白になった。
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