鈴芽 ~幸せのカタチ~
第十三章 迷いと不安
『ただいま。』

イチローが帰ってきた。
最初は黙っておこうと思ったが、
ずっと考えていると頭がパンクしそうで、
おかしくなりそうだったので聞くことにした。

『イチロー。
今日ね、イチローの元奥さんに会ったの。
話を聞いた。
どうして言ってくれないの?』

イチローは驚いた様子で私を見たあと、
観念して私の前に座った。

『ごめんな。
でもちゃんと断ったから。好きなのはスズメだけだから。』

『じゃ、どうしていつまでもそんな態度なの?!
いっつも何か別のこと考えてて、悲しそうに私の顔みて…。

わからないよ。』
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