鈴芽 ~幸せのカタチ~
だが突然病室のドアが開いた。

両親がそろってやってきた。

イチローが私の顔を上から抱いている。

その光景にどんなに驚いたことだろう。

『何をやってるんだ!!』

父が叫んだ。

『君は…!』

慌てて離れたイチローの姿を見て驚いていた。

『おとうさん…』

私は必死でしゃべろうとした。
今度は声になっていた気がする。

『鈴芽!?』

父も母も耳を疑うように飛んできた。

そして私と目が合うなり、ふたりとも泣いた。
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