鈴芽 ~幸せのカタチ~
オジサンが少し笑いながら言った。

『いや、悪いのはあのガキンチョどもですよ!』
私がそう言うと、
ハハっと力なげに笑い

『一緒にあげる?』

と言ってパンくずを渡してきた。

黙ってそれを受け取り、地面に放り投げた。

鳩はパンくずを投げるとすぐに帰ってきた。

二人ともしばらく黙ってちょっとずつパンをほり続けた。
< 17 / 203 >

この作品をシェア

pagetop