鈴芽 ~幸せのカタチ~
『お姉ちゃん!』

入ってきたのは理名ちゃんだった。

もちろん元奥さん・聡子も一緒だ。

イチローの姿はない。

『本当に理名を助けてくれて
ありがとう。

無事目が覚めてくれて本当によかった。』

聡子の顔を見るのは少し複雑だった。

『いえ。』

『お姉ちゃん、
理名ね、もう走れるようになったよ。』

『そう、よかったね。』

理名ちゃんの顔もまっすぐ見ることができない。

『座ってもいいかしら?』

返事を待つ前に聡子はもう座っていた。

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