鈴芽 ~幸せのカタチ~
『なんでそんなに遠くのほうばかりに投げてるの?』

最初に沈黙を破ったのはオジサンの方だった。

『スズメにあげようと思って』

鳩の群れの外にスズメも来ていたので、できるだけスズメの方に投げていた。

『あぁ〜』

『私、スズメって言うんです。』

『ウソ!?ほんとに?』
大抵みんなこの反応だからなんてことない。

『本当に。漢字は違いますよ。鈴の音の鈴に、
植物の芽。』
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