鈴芽 ~幸せのカタチ~
第十六章 家族
その頃戻ってきた父が
スズメの病室を開けると、

『何やってるんだスズメ!』

私はイチローの元へ行こうと
ベッドから出ていた。

でも足が動かなかった。

車椅子まで這っていく最中だった。

『彼に会いに行くの!』

私は父の手を押しのけ
車椅子につかまった。

『やめなさい!
まだ無理してはいけないんだから。』

それでも父は私を捕まえようとした。

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