鈴芽 ~幸せのカタチ~
その顔はとてもかわいかった。

笑うと目がなくなるんだ。目尻にあんなにシワができてる。

オジサンの悲しげではない本当の笑顔が見れて、私もうれしい気持ちだった。

笑いながらオジサンが近づいてきてティッシュを渡した。

『どーせ今日も持ってないんだろ?』

オジサンの笑顔が近づいてくると私の心臓は妙にドキドキした。

なんて優しそうに笑う人なんだろう。

『あ、手なんで、洗ってきます。』

私はこれ以上オジサンを見つめるのは不自然だと、慌てて走りだした。
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