鈴芽 ~幸せのカタチ~
そよ風が気持ちのいい空気の中で、とてもあたたかな時間が流れた。

気がついたらもぅ夕方になっていた。

『そろそろ行くな。
楽しかったよ。』

そぅ言って彼は立ち上がり私の頭を軽く叩いた。
もう行ってしまうの?
もっと話がしたい。

私は瞬間的にそう思っていた。

『今度こそ、ハンカチ返しますから。』

私はそう言うので精一杯だった。

『いつでもいいよ』

オジサンは軽く右手を上げ、いつものように微笑んで帰っていった。
< 29 / 203 >

この作品をシェア

pagetop