鈴芽 ~幸せのカタチ~
顔をうずめている間、オジサンは何度か肩をポンポンっと叩いてくれていた。


まさか、こんな姿を誰かに見られているなんて
思いもしなかった。


泣き止んでオジサンから離れると、

『大丈夫か?
ごめんな。』

オジサンが謝ってきた。
それは何のごめん?

私が図星をつかれて泣いてしまったと思っている?

本当は違うの。

そうじゃないの。

私の事何とも思ってないのはわかるけど、
笑って彼氏のことなんて聞いてこないで。

『こっちこそ、ごめん。もう大丈夫。』

大丈夫じゃない。

気付いてしまった。

私はオジサンが好き。
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