鈴芽 ~幸せのカタチ~
恭子先輩の言うとおりだ。どうして祐介は私なんか好きになったんだろう。

私は最低だ。

『ごめん。祐介。
本当にごめん。』

泣きながら謝った。

ゆっくり祐介の腕を解く。

そのまま立ち上がり、祐介のうずくまった背中を最後に見て、
部屋をでた。

外はまだ小雨が降っていた。

冷たい、
最後の夏の雨だった。
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