鈴芽 ~幸せのカタチ~
『じゃぁな。』

去っていくオジサンを前に、最後まで何も言えなかった。

オジサンの後ろ姿が見えなくなるまで見送った後、

私は泣いた。

私は今日何をしにここへ来たの?

オジサンに好きだって告白しにきたはずだった。
なのに逆に告白をされて、伝える前に振られてしまった。

オジサンの告白を聞いたって、気持ちは変わらない。

過去がどうとか、バツイチとか関係ない。

今のオジサンが好き。

頭の中では思っていたのに、口にできなかった。
だってオジサンが私を拒絶している。

やさしいから、その事を理由に俺はやめとけって言ったんだったらいい。
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