鈴芽 ~幸せのカタチ~
『熱は下がったみたいだな。』

『全く、何だってあんな時間にあんな所にいたんだ?』

オジサンはさっきからまだ一度も笑ってくれていない。

『朝、あそこに入っていくオジサンを見かけて…。』

『まさか…、あの時間までずっとあそこで待ってたのか?!』

ずっと怒っている。

『だって、あそこで働いてるんだろうって思って。』

『倒れるまで待たなくてもいいだろ?!

もし万が一変な奴に連れてかれでもしたらどうするんだ!?

もう少し考えて行動しろよ。』


『何で、そんなこと言うの?

やっと見つけたのに。

やっと逢えたのに。

待ってたのは昨日だけじゃない!

ずっと、毎日毎日公園でオジサンが来るのを待ってた!』
< 76 / 203 >

この作品をシェア

pagetop