りんごの木の下
キーンコーンカーン――…
「帰ろーぉッ!」
チャイムと同時に教室を出る。
今日はあたしたちが3人で帰れる日。
ガチャ――
「ん??」
あたしの靴箱の中には、1枚の紙が入っていた。
『茉莉ちゃんへ。今日ちょっとお話したいです。もし放課後空いてたら中庭の隣のベンチに来てください。待ってます。茜』
「恵実葉月ごめん!今日一緒に帰れないや。またいつか帰ろ!本当ごめんね!」
あたしはそれだけ言って中庭の隣のベンチまで走った。
茜ちゃんはまだ来ていなかったから、あたしはベンチに座りながら空を仰いでいた。