☆終わり=始まり☆

―ガチャッ。

「おっす。」

喫煙場のドアを開けると同じグループの最上佑介が声をかけてきた。
その隣には、グループは違うけど同じクラスの黒崎新がいて、私たちに手で挨拶をした。

「おはよう。」

私は2人に挨拶をして佑介の隣に立った。

「菜緒も吸う??」

「そのうちね。」

いつものお決まりの言葉だ。
私は禁煙者だけど絵美ちゃんの付き添いでよく来るため、この場所の常連になった。
そのため、友達も増えたけど、からかってくる友達も増えた。
まぁ、適当に受け答えをすることにも慣れて今ではお決まりのようになってきた。
今日もまた佑介がからかってきた。

「姐さん、どうする??菜緒が吸い出したら??」

“姐さん”とは絵美ちゃんのことで、男友達はほとんどの人が絵美ちゃんのことを“姐さん”と呼んでいる。

「佑介を殴る!!」

「はぁ??何で、俺??」

「菜緒が自分から吸うことはないやろ??絶対に佑介がからんどるやろ!!」

「同感!!」

絵美ちゃんの言葉を聞いて、隣から新が賛成した。

「もうええわ。そんなことより、放課後飲みに行かん??」

佑介はため息を1つ吐くと、直ぐに切り替えて放課後の話を始めた。
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