Limit of Love-想いの先に-


はっきりと
自分の名前を呼ぶ声が聞こえて

ゆっくりと
瞼を持ち上げる



見えたのは

見慣れた病院によく似た
真っ白な部屋の天井と

名前を呼んだであろう
見知った顔




「ーーーー工藤、…くん……?」





「奈都、大丈夫か……?」


彼の心配そうな顔が
少しだけ
ホッとしたように緩む




「どうして、ここに……?」

「奈都、倒れたんだよ」


そっか……私………

倒れちゃったんだっけ………



………でも


「……工藤くんは…?」




「俺?俺は……

先生がいないから
とりあえず付き添いかな」




ーーーーーーーもしかして





「ここまで……

運んでくれたの………?」



「ん?

あぁ、そうだよ
でも気にしなくていいから」




「き、気にするよ……っ!

ごめんなさい……
………重かったよね」



「あぁー………


うん」





きゃぁあぁーーー泣

…恥ずかしい………










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