Limit of Love-想いの先に-
*3
「ーーーーー奈都…っ⁈」
それからすぐに
保健室にお母さんが入ってきた
工藤くんが
無言で頭を下げて
「…あなたが
運んでくれた子ね……?」
「……はい
工藤です」
「………そう
工藤くん………
…本当にありがとう……」
「…いえ
じゃあ、僕はここで
……お大事にな」
「本当にありがとう
工藤くん…」
彼が保健室からいなくなって
少し寂しい気がしたのは
……きっと気のせい
「………彼
いい子ね………」
「……うん
同じクラスで隣の席なの」
「………そう…
彼にも…その………
言わないの…………?」
お母さんが
聞くのをためらうのは
私の気持ちを
一番に理解してくれているから
「うん
言わない
……………言えないよ…」