Limit of Love-想いの先に-


「席着けー
出席確認するぞー」

担任が入ってきて
みんながゆっくりと席に着く

「23R担任の吉岡だ
1年間どうぞよろしく

とりあえず
今から始業式だから
全員速やかに体育館へ移動するように」


それだけ言うと
担任が教室を出ていこうとして


ーーーガラッ


「すんません
遅れましたーっ」


「おい工藤
初っ端から遅刻すんなー
今から始業式だから
さっと移動しろよー?」


そこで私は
初めて自分の隣が空席であることに
気づいた

‘工藤’くんって
隣の席の人か……


「はーいっ」


のんきにそう返事した彼が
隣の窓側一番後ろの席に鞄をかけて


「太田……だよな???」

「えっ」

「あれっ違ったっけ???」

「そう…だけど………」

「なんだぁ
んじゃ、隣よろしくなっ?
俺は工藤琇真
しゅうま、ね?w」

「太田…奈都、です……」

「うん
よろしくなー、奈都!
俺は琇真でいいから」


そう言った彼は
何人かの友達と連れ立って

教室を出て行った





< 5 / 85 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop