Limit of Love-想いの先に-
*琇真*
恵斗に引っ張られて
やってきたのは
昨日
やっと奈都に近づけた気がした
屋上だった
屋上を
優しい風が吹き抜ける
流れる少しの沈黙に
昨日の出来事を思い出す
奈都は
きっと何かを抱えてる
俺はただ一刻も早く
奈都を苦しめるものすべて
できることなら
取り除いてやりたいんだ
この想いが何なのか
わからないけれど
………いや
心のどこかで気づいてる
でも今
それを自覚したところで
奈都にしてやれることは
結局
同じだと思うから
「な、なぁ…琇真」
沈黙を破ったのは
……恵斗