【続】早瀬くん、好き。
私の問いに一瞬驚いた顔をして、いつもの無表情に戻る。
「いや…別になんもない」
「そ、そっか…」
深くは追求しなかった。
追求できなかった。
だって…
「なぁ…鮎原」
「ん?なーに?」
「俺と別れてくれ」
こんな言葉を突きつけられたんだから。
一瞬何を言われたのかわからなかった。
「え…?
いきなり…どうしたの?」
理解したくなかった。
「鮎原もう一度言う。
別れてくれ」
早瀬くんはキッパリそう言った。
いくらバカな私でも今度は理解できた。
「冗談だよね…?」
さっきまで笑い合ってたんだよ?
水族館2人で手繋いで回ってたんだよ?
2人でこんな綺麗な夜景見てるんだよ?
なのに…どうして…?
「いや…冗談じゃねぇよ」
「…なんでなの?
理由あるんだよね?」
声が震える。
じんわり涙が目に溜まる。