【続】早瀬くん、好き。
「はは…仕方ないよ。
他に好きな人いるんじゃ出る幕ないもん」
ドーナツをパクっと一口食べながら言う。
「心春、無理に笑顔作りすぎぃー」
愛花は私のほっぺをプニプニする。
無理に笑顔…か。
確かに無理に笑顔作ってるよね、私。
けどね?
愛花だから無理に笑顔作れるんだよ?
愛花にも笑ってて欲しいから。
それに…無理にでも笑ってた方が早瀬くんのこと忘れられる気がしてた。
「そんなことないですぅー。」
「あら?そう?
てかさ、そこよそこっ‼︎‼︎」
いきなり何言い出すんだ愛花は。
「え?そこってどこ?」
「だぁーから!
早瀬に好きな人ができたってところ!
そこが気に食わない。
だってさ?あの早瀬だよ?
まともに女に恋したことない早瀬がだよ?
女とはほぼ体の関係しか持ったことない早瀬がだよっ!?」
かか体の関係って…。
しかもそんな大きい声で…。
「きっと…新しくできたんじゃない?」
「うーん、早瀬は心春にベタ惚れだと思ってたんだけどなぁー。
…やっぱりなんか引っかかるのよねー」
愛花はどうも気に食わない様子。
「べ、ベタ惚れなんて…そんな。
でもどうあれ早瀬くんは自分の口でちゃんと私にそう言ったんだから…うん。」
私は言われたんだよ、別れてくれってキッパリ。
愛花はそのあとも納得してなさそうな顔をしてたけどね。