【続】早瀬くん、好き。
失恋したって何したって時は過ぎてゆくもので…
新学期が始まって1ヶ月が過ぎようとしていた。
10月と言えば学校伝統の文化祭の季節。
だから今はどこのクラスも準備に追われてる。
放課後だって残ったりしてるんだ。
「心春ー、頼みがあるんだけどいいかな?」
同じクラスの女の子に声をかけられる。
「うん!
なになにー?」
「文化祭で使う資料が必要だから、
資料室まで行ってもらってもいい?
ごめんねっ!」
手のひらをペタンとくっつけ謝るクラスの女子。
「大丈夫だよーっ!
じゃあ、行ってまいります」
敬礼ポーズをして教室をでる。
やっぱり文化祭の時期だから放課後でもどこのクラスもガヤガヤとざわついてる。
えっと資料室はどこだぁー。
「あ、ここか!」
入学して大分たつのに資料室に入るの今日が初めてかもー。
ガラガラー
なんて思いながらドアを開ける。
うわ、ほこりっぽいなぁ。
やっぱり資料室だけあってたくさんのファイルやダンボールなどが山積みになっている。
まるで物置き場のようだ。
「んーっと…ファイル2-4はどこだ」
あ!あった‼︎‼︎
けど…1番上じゃんかぁ。
私の身長じゃあ届かないから近くにあった踏み台に足を乗っける。
「よいしょっと…」
私は目的のファイルに手を伸ばす。
が…、これでもまだ届かないっ!
もう、本当チビはやだよ…。
それでも諦めずに背伸びをして手を伸ばす私。