【続】早瀬くん、好き。


あのこともこの際だから言っちゃおう。


区切りをきちんとつけなきゃいけないと思うから。


「「あのさっ」」



中津くんと見事に声がハモる。


「あ…先どうぞ」


「はは、ハモったな。

鮎原先に言って?」



中津くんがそういうから先に言わせてもらうことにした。



「う、うん。

あのね…っ、中学の時2人で教室で話してたこと覚えてる?」



「うん、俺の好きな人のことだったよな?」



「うん。

あの時、中津くん、私に好きな子教えようとしてくれてたでしょ…?

でもそれを私が遮ったの…」



「うん?」



「でもね…っ?
それにはちゃんと理由があって…。

私中津くんの好きな子聞くのが怖かったの…」


あの時はただ必死に自分が傷つかない方法ばっか考えてた。


私はずるかった。
自分のことしか考えられない人だった。



「怖いってなんで?」




「今だから言えるんだけどね、
私あの時中津くんの好きな人に嫉妬してたの…。

けど、あの時はそのことに気付けなかった。」



私はまだ子供で…何もわかっていないくて。


でも、早瀬くんに会って本当の恋を知れたから。



「私ね…っ、中津くんのこと好きだったかもしれないの。

だから聞くのが怖かった」



曖昧な答えだけど、もし…もしね?
中津くんのことがあの時好きだったとしても…

私は確実に恋という居場所をみつけられたの。


早瀬くんに出会って本当の恋に気付けたの。
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