【続】早瀬くん、好き。
どうしてキスなんかしたの…?
私のことなんてもう何とも思ってないくせに。
それに、私こんなことされたら諦めきれなくなっちゃうよ…。
「ただいまぁー…」
家の玄関の扉をあけながら言う。
「あら、おかえりなさい…って
ふふ、若いっていいわねっ♪」
エプロンをきたお母さんが言う。
「…?なにがいいの?」
よく意味がわかんないです。
「あらー、とぼけなくてもいいのよ?
ふふ」
今日のお母さん意味わかんないなぁ…。
ま、いいやっ。
私は部屋着に着替えて自分の部屋へと向かうことにした。
「あ、姉貴おかえりー」
ちょうど向かいの部屋の弟が部屋から出てきたところだった。
「あ、尚紀ただいまっ」
「おー、って…姉貴男に会ってたの?」
「…へ?どうして?」
会ってったちゃ会ってたけど…。
なんでわかるんだ?
「首んとこキスマークだらけだから。
…こっちが恥ずかしいわ」
そう言って階段をおりていってしまった我が弟。
ん?キスマーク?
私は部屋に駆け込み鏡をみる。
「…なにこれ…」
鏡に移された私の首筋に世間で言うキスマークというものがたくさんついていた。