【続】早瀬くん、好き。
早瀬くん…お願い。
私のこと置いて行かないで…。
お願いだから戻ってきて。
「心春ちゃん…っ」
「あ、セイヤくん…」
早瀬くんのお兄ちゃんが病院に駆けつける。
「月夜は…?」
「今、緊急手術室に運ばれて…まだ」
「そっか。」
それだけ言ってそれ以外何も聞いてこない早瀬さん。
「…何があったか聞かないの?」
「大体わかるよ。
西田だろ…?
あいつは今頃、警察だろうな…」
知ってたんだ。
「…私のことを庇って早瀬くんは…ッ」
「いいんだよ。
月夜は心春ちゃんを守るためにしたことなんだから」
「けど…ッ」
私が連れ去られてなかったらこんなことにはなってなかった。
「…西田は中学の時から月夜を恨んでたんだ。」
そう言って早瀬さんはポツリポツリと話始める。
「西田は月夜には勝てなかった。
そして月夜の弱点を見つけたんだ…」
「弱点…?」
「心春ちゃんだよ。
心春ちゃんを劣りにして月夜に勝とうとしたんだ西田のやつは…。
それが俺の耳に入った。だから俺はそれを月夜に伝えたんだ。
……そして、月夜は心春ちゃんを危険な目に合わせないように別れる道を選んだんだよ」
初めて聞いた話に驚きが隠せない私。