【続】早瀬くん、好き。
しばらくして手術室のランプが消えた。
手術室からは医者が出てくる。
「は、早瀬くんは…っ?
大丈夫ですよね…っ?」
私は医者にかけより言う。
「…手は尽くしました。
だけど目が覚めるかはわかりません。」
え…?
「それって…」
「はい。いつどんな状況になってもおかしくはありません…」
医者は悲しげな表情をして言う。
「…嘘でしょ…。
そんなはずないよ…。」
早瀬くんがいなくなるはずないよ…。
だって、私を1人にさせないって約束してくたもん…。
「…親父、本当にもうどうにもできないのか…?」
えっ、親父?
セイヤくんは医者に向かって言った。
「あぁ…。
俺は医者なのに自分の息子1人も助けられないとは情けないな…」
目頭に涙を溜めてそう言う。
息子ってことは、やっぱり早瀬くんのお父さんだったんだ…。
「…心春ちゃん、今日は帰ろ?
俺、送ってくから…」
「……うん」
今は頭が真っ白で何も考えたくない。
「鮎原心春さんだよね…?
額のところケガしてる。
手当てしないといけないからちょっといかな?」
早瀬くんのお父さんに呼び止められる。
「…あ、はい…」
驚きながらも返事をする。
「俺も行くよ…」
セイヤくんが言う。
「セイヤは先帰ってていいぞ。
俺がちゃんと鮎原さん送っていくから。
じゃあ行こうか鮎原さん」
「…はい」
私は待合室にセイヤくんをおいて
診察室へと向かった。