【続】早瀬くん、好き。



「えっと…消毒液はどこだったかなぁ」



早瀬くんのお父さんは消毒液を探し回ってる。


「あの…っ、すみませんでした…。

私を庇ったばっかりにこんなことになってしまって…」

私がいなかったら早瀬くんはこんな目にあってなかったから。



「謝る必要なんてないよ」



「で、でも…ッ」


「…私たちの家庭は父子家庭でね。
母親はあの子たちが幼い頃に亡くしてるんだ」


「…そうだったんですか…」



私、早瀬くんのこと知ってるようで何も知らなかったんだ…。




「…私は医者ということも会って葬式にも出れなかった。

月夜もセイヤもそんな俺が憎かっただろうな。

それから2人とも私を避け始めるようになった。

でも、セイヤはセイヤなりに俺が医者だからという立場を知っていて中学生くらいの時から口をきいてくれるようになったんだ」



優しそうに微笑んで、そう言う。



「…けど、月夜とは一切口もきけなかった。

どう思われてるのかが怖かった。

あいつは、感情を表にださないしいつも無表情で正直父親の私でもなに考えてるのかなんてわからなかった。

…けど、最近になって月夜が俺の病院まで来たんだ」



「……??」






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