【続】早瀬くん、好き。


「なぁ…鮎原」



「ん?なーに?」



私と早瀬くんの視線が絡み合う。


早瀬くんはとても真面目な顔をしていた。



「俺まだまだガキだから結婚とか全然先の話だけどさ、でも…大人になったら
ちゃんとお前にプロポーズすっから」




………え?


早瀬くんがこんなこと言うのは珍しくて口がポカーンと開く。


でも真面目な顔してるから嘘ではないと思う。



「嬉しい…。
けど私なんかでいいのっ?」


そりゃあ私も早瀬くんからプロポーズされたら即オッケーするけどさ。

でも、早瀬くんパーフェクトボーイだから何もかも平凡な私でいいのかな?

って不安に思っちゃうんだ。



「バーカ。
お前がいいんだよ俺は」



早瀬くん…っ



「はやぜぐぅぅぅーん…ッ
だいずぎだよぉぉー」



涙で顔面がぐちゃぐちゃになる。



でも早瀬くんは左手てそっと私を抱きしめてくれた。



まだ先の話かもしれない。



けど…確かに私たちは今ここで未来を誓いあったんだよね?



「おい…お前俺に鼻水つけただろ」



そう言われたから早瀬くんの襟元をみてみると鼻水がぐちょーとついていた。



「…えへっ」



泣かせた早瀬くんが悪いんだもんっ



「まじありえねー」



そこにはいつもの無表情の早瀬くんがいた。



けど、案外早瀬くんの無表情が好きだったりするんだよね。
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