【続】早瀬くん、好き。


「お前チビすぎじゃね。
今もだけど」


早瀬くんは冷めた目で私をみる。


「‥‥今は伸びたもん」




中3のとき2、3センチくらいしか伸びなかったけど。




「‥‥全然変わってないし」


「変わったよーっ!
みて!?この足の長さとかをさっ」


「いや、普通に短いだろ」


「短くないもんっ」


そんな会話をしてると尚紀が



「…すみません、俺ちょっと思ったんですけど」



私たちの会話を割って入ってくる。



「何で早瀬さんみたいな有名人が姉ちゃんみたいな平凡な女と付き合ってるんですか⁇」



なっ⁉︎

なにを言い出すのかと思えば失礼なことを…。



「俺別に有名人じゃない」


早瀬くんは尚紀の質問にそう返した。


「早瀬さん知らない人なんてなかなかいないっすよ。」


「…へえー。」


早瀬くんは興味がなさそうにそう答える。


早瀬くん自分のことになると鈍感だからな。



そんなことを思いながら、窓の外を何気なくみると


「…あっ、雨ふってる。」


雨がパラつき始めていた。


…天気予報では雨じゃなかったのに!



「じゃあ、そろそろ帰れば。」



早瀬くんが窓の外をみて言う。



確かに雨強くなる一方だしなぁ。


2人きりにはなれなかったけど、
まあ仕方ないか!!


「そうだねっ!
じゃあ、みんなそろそろ帰ろっか?」


私は3人の中学生たちにそういう。


「早瀬くんお大事にね!
骨折してるんだから無理しちゃだめだよ?」


「…はいはい。」



「じゃあまた来るからねっ⁇
バイバーイ‼︎‼︎」



私はそう言って嵐のように病室を後にした。






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