【続】早瀬くん、好き。
「えー、そうだったのー?
残念」
ショートカット美人は眉を垂れさせてそう言う。
ふふーん。
残念でした〜。
心の中で微笑む私。
「‥‥鮎原、行くぞ」
早瀬くんはそう言いながら私の手をつかんで歩き出す。
「え?あ、うん!」
ショートカット美人さん置いていちゃったけどいいのかな?
と少しだけ思いつつ後ろをチラッと振り向く。
‥‥めっちゃ、私睨まれてますけどっ‼︎‼︎‼︎
振り向くんじゃなかった。
まあ、気にしない‥‥ことにしよう。
「ねえー、早瀬くん」
「なに?」
「早瀬くんはどうしてそんなにモテるの?
さっきの人も美人だったし‥‥」
そりゃあ、カッコイイからモテるんだろうけどさ。
彼女の私は心配で心配で仕方ない。
「そんなに心配すんなよ」
早瀬くんはそう言ってくれるけど、不安がないと言えば嘘になる。
だって、学校で私たちが付き合ってること知らない人ばっかりだしそうなってくると早瀬くんはフリーって思われるわけでしょ?
こうやって2人で文化祭をまわっていても多分私が追っかけてただ単についていってるだけって思われてるんだろうな‥‥。