【続】早瀬くん、好き。
「心春大丈夫?」
「あんな奴ら気にすることないよ!
また何かあったら私たちに言ってね?」
「そうそう!
友達なんだからさっ!」
みんな…。
クラスの女子はみんなとても優しかった。
けどそれからも嫌がらせがやむことはなかった。
誰にも気付かれないように、じわじわと。
クラスの女子に助けを求めようとも思った。
だけど…
「てかさ、クラスの女子たちに助け求めたりしたらあんたのクラスの女子の中から1人をあんたみたいな目に合わせるわよ」
ある女子がそう言った。
由梨ちゃんはその集団にいるだけで何もしてこなかった。
ただ見ているだけだった。
「ちょっと、待ってよ!
クラスの女子には手出さないで…。
お願いだから…」
クラスの子はみんな優しくていい子だから…私みたいな思いして欲しくないよ。
「いいわよ。
その変わり誰にもチクんじゃないわよ?
先生や親にもね!」
「うん、わかった…」
嫌がらせはしばらく続いた。
体操着がなくなったり、お気に入りのストラップがなくなったり、教科書でさえもなくなった。
上履きが誰も使っていないトイレに捨てられてたりもした。
「あれ?
心春体操着は?」
体育の時間なのに体操着を着てない私を不思議に思ったのかクラスの女子が聞く。
「あ、忘れちゃった…」
「本当に?
またあいつらの仕業じゃないの?」
言いたかった。
そうだよ。
って言いたかった。
けど…言えないよ。
みんなに悲しい思いして欲しくない。
「ううん!
もう全然平気だよ?
体操着は本当に忘れただけだから!」
私は笑って誤魔化した。