【続】早瀬くん、好き。
「…はは、友達か。
だよなぁ…。」
どうして?
どうしてそんな傷ついた顔をするの…?
「中津くん…?」
「わり…。
俺先帰るわ。
危ねぇから友達と帰れよ…」
そう言って教室を出ていってしまった中津くん。
1人教室に残された私は…どうしよもなく苦しくて…
どうしよもなくあの傷ついた顔が忘れられなくて…
どうしよもなく謝りたくて…
しばらくそこから動くことができなかった。
そして…その日を境に私たちが会話を
いや挨拶さえも交わすことがなくなった。
席も遠くなった。
そして何より私たちの関係が
遠くなったーー。
話しかけよう思ったことは何度だってあった。
でも中津くんは目さえ合わせてくれなくて、休み時間になるたび教室を出てしまう。
けどね、本当は怖かったのかも知れない。
また傷つけてしまうかも…って。
ううん、本当は自分が傷つくのが怖かったんだ。
それから一切目も合わさず会話も交わさず卒業してしまった。
そして…高校の入学式。
私は中津くんのことを忘れるくらいの
運命の人に出会ったんだ。
私の毎日を宝石のようにキラキラさせてくれるあなたに出会ったんだ。
ひとつひとつの行動にキュンとさせてくれたあなたにーー。