【続】早瀬くん、好き。
「こ"は"る"ぅー!
辛い思いしたんだね…ッ
ごめんね、気付いてあげられなくて…ッ」
全てを話し終えるとなぜか大号泣の愛花。
「えっ?愛花泣いてるのっ!?
大丈夫だよー、今じゃ笑い話だってー」
三年間のうちの一ヶ月だもん。
嫌がらせうけてたのは。
でも…中津くんのことは今日の今日まで忘れてたな。
「…あの由梨って女許せないっ!
私殴り込んでくる!
心春!家教えてッ」
カンカンな愛花。
「あ、愛花落ち着いて…!」
「落ち着いてらんないわっ」
「本当に大丈夫だから!ねっ?
今の私には愛花という心強い親友がいるからさっ」
愛花みたいな子に出会えてよかった。
本当に大好きだよっ!
「心春…。
わかった、心春に免じて殴り込みは行かない。
けど、どこかで偶然会ったらボコボコにしてやるッ」
「あはは…偶然会うことなんてないって!
気持ちだけで充分ですっ」
「そ、そお…?
てかさ、心春その中津くんの好きな人って絶対あんただからっ!」
えっ、中津くんが私を…?
「ま、まさかぁー。
ナイナイっ」
「いやぁー、ありありでしょ!
ぶっちゃけ心春も話し聞く限り中津くんに惚れてたでしょ?」
私が中津くんを…?
「そ、そんなことないよっ!
私の初恋は早瀬くんだもん…」
「だってさ?
中津くんに好きな人がいて胸が痛んだんでしょ?」
そ、それは…ッ
「うん…。
けど罪悪感かもしれないし…」
「罪悪感?
ないない。
それは嫉妬で胸が痛かったの。
心春、1度でも中津くんにときめいたことないの?」
「えっと…何度かはあるかな?」
嫉妬…?
私が中津くんに?
そうだったの…?
「はあー。
それは完ぺき恋だわ。
まぁ自分のことそんな必死で守ってくれる人がいたら惚れるわ、誰でも」
中津くん…か。
私、惚れてたのかな?
じゃあ…私の初恋って中津くんなの?