【短編】いつからか俺たちは。
「晃夜……どうしたの?」
「頼む、ちょっとだけ。少しだけで良いから…」
今だけは受け入れて。
男としてじゃなく、幼馴染みとしてで良いから。
ギュッと抱き締める腕に力を入れれば、そっと俺の背中へと回された菜月の腕。
それだけでバカみたいに幸せで。
俺はきっと。ずっと、菜月が好きなんだろうなってバカなことを思った。
彼氏でもないくせに完全に片想いのくせに、離したくねぇなんて思ってしまうんだ。