【短編】いつからか俺たちは。
双子なだけあって顔はそっくりだったけど性格は全然違った。
晃希は素直で優しくて、人前に立つことがそんなに得意じゃなかった。
運動も勉強も俺の方が出来て、俺の方が昔からモテた。
だけど、そんなの何の意味もない。
菜月が好きになってくれなきゃ何の意味もない。
物心ついた頃からずっと菜月が好きだった。
でもそれと同じように菜月はずっと晃希が好きだった。
本人から聞いたことは無いけど、そんなのは見てたら分かる。
彼女の瞳に、心に。いつだって俺はいなかった。
それは昔も、
事故で晃希が死んで二年たった今でも。
俺が入る隙なんて一ミリもないんだ。