ストロベリー*ワルツ
「…莉緒?」


それに気づいたらしい翔ちゃんは私の顔を覗きこんでくる。


『翔ちゃっ…ん、私、私、ね…。』


もう疲れた。
もう言ってしまおうか。
ずっと言えなかった想いを。
溜め込んでた気持ちを。


「ゆっくりでいいよ。落ち着いて言ってみ?」


ほら。そんな優しい顔を向けられると、我慢なんて無理。


『もう、やだっ…もう疲れた。』







『私はピアノが嫌い。ピアノをやめたい。』


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