ストロベリー*ワルツ
全てを終わらせて。
朝陽で目が覚めると、翔ちゃんはいなくて、代わりにお味噌汁のいいにおいがたちこめていた。


「あ、起きた?」


エプロン姿の翔ちゃんがなんだかおかしくて、つい笑ってしまった。


「笑ってんなよ。あ、さては俺のエプロン姿に見惚れたんだな? 」


なんだか意味の分からないことを言ってるからまた笑ってしまった。


『翔ちゃん。』


「ん?」


『私、ピアノやめるね。』


目を見開いて固まってる。
そりゃそうか。今までの私は、ずっとお母さんのお人形だったから。


『やっぱり、ピアノだけは好きになれないや。』


翔ちゃんは一瞬悲しそうな顔をしたけど、笑って

「そっか。」


とだけ言った。
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