甘い恋飯は残業後に
――『……やきもちか?』
――『ただ俺は、そうだったらいい、と思っただけだ』
あの時の難波さんの言葉に、今わたしの心は振り回されている。
難波さんは、一体どういう意味で言ったのだろう。
考えても答えなんて出る筈ないのに、気がつけば考えてしまっている自分がいる。
ありとあらゆる可能性を探っては否定して、最終的には、やめよう、と思考を強制終了させる、の繰り返し。
いつもだ。いつもわたしは、難波さんに振り回される。
だから、ふたりで飲みになんか行きたくなかった。彼の言葉の端々を無駄に気にしてしまいそうで……。
もう、わたしを振り回さないでほしいのに。
「どうかしたか?」
「……えっ」
もうそろそろ叔父さんの店に着くという時、ふいに難波さんが問い掛けてきた。