甘い恋飯は残業後に
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夏の日差しは、寝不足の体にはこたえる。太陽はもう西の空に傾いているというのに、熱の勢いは衰えてはくれない。首筋に流れる汗をハンカチで拭う。
わたしは疲れた体を引きずりながら、叔父さんの店へと向かっていた。
タイミングが悪かったのと行く気力が湧かなかったことで、あの、難波さんにバッグを取り上げられた日からめずらしく二週間近くも叔父さんの店に顔を出していなかった。
難波さんの家に押し掛けた日から、もう一週間。
会社からは難波さんに何かしらの処分が下ったという話もなく、彼がオフィスに来ることもないままあっという間に金曜日を迎えていた。
その間、難波さんから連絡が来たのはたった一度だけ。それも昨日、あまりに心配になってこちらから送ったメッセージに対しての返信だった。
《心配かけてすまない。もう少しで落ち着くと思うから》
また難波さんの家に行ってみようかと一瞬よぎったが、さすがにそれは自分勝手過ぎると、寸前で思いとどまった。