1粒の勇気
交渉が成功してホッとしたのかアリスはにこりと笑ってテラに言う。
「テラ。行きましょう。」
テラは体が震えている。
状況が読み込めないのだろう。
僕が行ったのも奴隷商人と代わりのない事だからな。
当たり前か…。
4人は無言で僕の家に帰った。
僕は召使のリサにテラのことを話した。
リサは少し驚いた。
しかしすぐさま100万を用意し、伯爵の元へ向かっていった。
「あ、あの。僕の仕事は何でしょう…。」
テラはオロオロしながら聞く。
「今日から僕が君の主人だね。」
テラは頷く。
「命令だ。
これが最初で最後の命令だよ。
よく聞いていてね。」
テラは強く頷く。
「自由に生きて」
僕は言った。
テラは唖然としている。
「し、仕事をさせられるのかと…。」
「アハハ。ラオの家には使用人が沢山いるから必要ないよ」