ツンデレくんを求めてみます。
オムライスを食べ終えた二人の間には妙な空気が流れていた。
「奈子さん、怒っとる?」
「怒ってないよ。怒るわけない」
普通ならば怒るかもしれない。特に嫉妬深い人なら余計に怒るだろう。
でも、あたしは落ち込んではいても怒ってはいなかった。
「あたしも、その気持ちはわかるから」
「え?」
「あたしも高校のとき、それまでで一番好きな人がいたの。今は会わないから何も思ってないけど、もしどこかで偶然会ったらあたしも少しは揺らぐかもしれない。だから、中出を怒ることはできない」
中出は黙って頷いた。わずかに口を開いて「でも…………」と呟いた。
「確かに少し揺らいだ。でも、奈子さんが頭に浮かんだから、話し掛けられたけどすぐに別れた」
「そりゃあ……喜んでいいのかい?」
「いいやろ。浮気して欲しかったん?」
「泣いて実家に帰るとこだったわ」
「んじゃ、よかったわ」
くすっと中出が笑ってあたしを見た。目が合うと体の奥に熱が溜まっていく。体が熱い。
そんな笑い方をされたら辛いじゃないか。あたし達はまだしばらく一緒にいれるのだと希望を持ちたくなるじゃないか。
「奈子さん、怒っとる?」
「怒ってないよ。怒るわけない」
普通ならば怒るかもしれない。特に嫉妬深い人なら余計に怒るだろう。
でも、あたしは落ち込んではいても怒ってはいなかった。
「あたしも、その気持ちはわかるから」
「え?」
「あたしも高校のとき、それまでで一番好きな人がいたの。今は会わないから何も思ってないけど、もしどこかで偶然会ったらあたしも少しは揺らぐかもしれない。だから、中出を怒ることはできない」
中出は黙って頷いた。わずかに口を開いて「でも…………」と呟いた。
「確かに少し揺らいだ。でも、奈子さんが頭に浮かんだから、話し掛けられたけどすぐに別れた」
「そりゃあ……喜んでいいのかい?」
「いいやろ。浮気して欲しかったん?」
「泣いて実家に帰るとこだったわ」
「んじゃ、よかったわ」
くすっと中出が笑ってあたしを見た。目が合うと体の奥に熱が溜まっていく。体が熱い。
そんな笑い方をされたら辛いじゃないか。あたし達はまだしばらく一緒にいれるのだと希望を持ちたくなるじゃないか。