ツンデレくんを求めてみます。
ちょっとやり過ぎたかなとあたしは内心慌てた。


「嫌だった?」

「違う。もう、やばいから…………」

「何が?」


あたしの言葉を意外に思ったらしい中出は細い目を見開いてあたしを見た。


「……わからんの?」

「は?」

「ここまでしといて、まさか無自覚け?」

「…………何のこと?」


中出はわざとらしくため息をついた。


「…………奈子さん恐ろしいわ」

「いや、わけがわからないんだけど。ねえ、ちょっと」

「いいわ。俺帰る」

「ちょ、こっちはわかんないんですけど。ちゃんと教えてよ」

「帰る」

「おいこら、話すまで帰さねえぞ」


あたしは中出の両肩を力いっぱい掴んだ。


「痛い。離せ。奈子さんが言うと恐ろしく聞こえるわ」

「あんたみたいに可愛くないからね」

「可愛いってなんや。喧嘩売っとんのか」

「あんたがはっきり言わないからだろうか」


中出はあたしの腕を掴んで肩から離させた。


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