あたしの好きな人
「波奈ー!何してんの?」
あ、やべ
コソコソ話してたら稜があたしの方に近づいてきた。
「ごめんごめん。何でもない、いま行く!」
千枝ちゃんに香織ちゃんの誤解を解いてもらっているうちに、あたしは稜の背中を押して教室を出た。
………ていうか、なんであたしのクラスに来たんだろ?
「稜、何か用あった?」
「おー、まぁな」
「なに?」
「うーんと、」
稜はニヤッとあたしに笑いかけて、スキップしながら渡り廊下を渡っていった。
え、ちょっと!?
何今の?
「なになになになに!?ちょっと稜!?」
「お前さ、」
「ぶふぇっ」
稜の背中に顔面ダイブした。
鼻、いったぁ〜!