あたしの好きな人

◇◇◇◇◇



「そんな落ち込んで、どーした？」

「結斗！」



帰り道、足取りを重しくて帰っていると、後ろから結斗の声が聞こえた。



「落ち込んでるように見える？」

「そりゃもう黒いオーラが」

「え」



そこまで。


そんな落ち込んでるのあたし。



「結斗は今日綺希先輩と帰らないの？」

「え、なんでそれ…」

「注目の二人が一緒に帰るってなるとすぐ広まるからね」

「………俺、先輩に悪いことしてるかな？」




悪いこと…ねえ…



「二人は付き合ってるの…？」

「いや、……まだ告ってない」

「そっか…。でも、先輩は一緒に帰るの嫌がってないんなら、大丈夫だと思うよ？」

「おぅ…そうかもな」





なーんて、あたし偉そうなこと言っちゃった。



でも、大切な“親友”のために何かできるって…幸せなことだから。