あたしの好きな人
「俺のお前に対する気持ち。こういうことだから」
そう言うと、桃夜はあたしを解放して起き上がった。
それから
あたしの手首を握って、こういった。
「その気持ちは…近藤がお前に向けてる気持ちと同じだから。…まあ俺の方が大きいけど」
…………え?
桃夜、それって…
あたしのこと……
「あ、でも1ヶ月くらいその気持ちでいらせろよ。返事はいらない」
「ちょっ…待って…」
「てかさ、」
てかさ、なによ…
あたしの脳は桃夜の次の言葉を待つほど正常じゃない。
「さっき、床でお前を抱きしめた時、」
「……な、なに?」
そこまでためて、桃夜があたしの耳元で言った。
「俺にドキドキ、してたろ?」
「は、は、はぁっ!?」
桃夜にドキドキなんか…!
「って、逃げるなっ」
「じゃーな。留守番頼むわ」
あぁっ、留守番頼まれてたんだった…