あたしの好きな人
「昨日は、メールのやり取りした」
そう言う結斗は幸せそうで…
またヘラヘラっと笑って、照れ隠しに頭をかいた。
そんな幸せそうなのに、…傷ついてるあたしがいる。
この気持ちは、隠そうって決めてるけど
抑えきれないかもしれない…。
「良かったね、結斗」
「あぁ……サンキュ。」
「じゃあ、頑張ってよ?引き続き応援してるから!」
「おぅ。あ、俺のクラスお前の隣だからなんかあったら来いよ?じゃあなっ」
「う、うん…また」
結斗は自分の教室の中に消えていった。
なんかあったら来いよ……って
なんか無くても行っちゃうじゃん。
「それにしても、よく気が付かなかったな」
あたしが1年A組ってことは、結斗は1年B組って事だ。
隣のクラスなのに、1ヶ月間気が付かなかったなんて…
“好きな人失格”だな…。
いや、そもそも“好きな人失格”なんて無いか。