あたしの好きな人



◇◇◇◇◇


翌日の朝。






「や、やっと着いた…」


「ごめん波奈、サンキュ」


「ううん。じゃ、体育館まで行くよ」


「へい」






電車を乗り継いでお兄ちゃんの高校まで来た。






体育館まで行くとバスケ部のみんなが練習していた。




「あっ、波流!と波奈ちゃん!」





あたしたちに気づくと、足立先輩がこっちに来た。






「波流、ケガって松葉杖つくほど!?大丈夫か?」


「おぉ。まだ軽かったほうで2週間見学になるけど…」


「波流いねーとバランス崩れるから、早く治せよ?無理すんな」


「サンキュ」






足立先輩優しいなー……





こんなお兄ちゃんにまで優しいとか何者だよ。







「ここまで波奈ちゃんが送ってくれたの?」


「あっ、はい」


「ありがとね」


「いえっ全然…」







朝からイケメンの笑顔は心臓がもたん。






うん、早く学校に行こう。







「じゃあ、学校行ってきます!」


「行ってらっしゃい」


「波奈ほんとサンキューな」


「はーい」






またギリギリの時間だ……









これはピンチ。


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