あたしの好きな人
そう思って上を見上げた。
「稜っ…」
「はよ、波奈」
「お、おはよう…」
目の前に稜がいた。
びっくり…
「いや~ラッキーだな、朝から波奈に会えるなんて」
あたしはアンラッキーなんですけど
「しかもこんな近距離。なんかもえねぇ?」
「なっ…なんももえないし!!」
「へ~…。あ、それでなんでまた電車乗ってんの?」
「お兄ちゃんがケガして…、それで2週間学校まで送ることになったの」
「2週間もこの満員電車に乗んの?」
「まぁそうなるけど…」
「女性車両は?」
「だって毎回ギリギリで…」
「………………」
な、何急に黙るの
それになんか…前と違って体が向き合ってるし、狭くて電車が揺れるたび稜の体が触れるから…
なんか心臓がドキドキいってる…
あーもぅっ!!
なんでこんなカッコイイの?
ってかなんであたしはこんなカッコイイ人と話してんの?!