あたしの好きな人


そう思って上を見上げた。








「稜っ…」


「はよ、波奈」


「お、おはよう…」







目の前に稜がいた。








びっくり…








「いや~ラッキーだな、朝から波奈に会えるなんて」




あたしはアンラッキーなんですけど





「しかもこんな近距離。なんかもえねぇ?」


「なっ…なんももえないし!!」


「へ~…。あ、それでなんでまた電車乗ってんの?」


「お兄ちゃんがケガして…、それで2週間学校まで送ることになったの」


「2週間もこの満員電車に乗んの?」


「まぁそうなるけど…」


「女性車両は?」


「だって毎回ギリギリで…」


「………………」






な、何急に黙るの









それになんか…前と違って体が向き合ってるし、狭くて電車が揺れるたび稜の体が触れるから…









なんか心臓がドキドキいってる…











あーもぅっ!!








なんでこんなカッコイイの?








ってかなんであたしはこんなカッコイイ人と話してんの?!











< 66 / 280 >

この作品をシェア

pagetop